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2009夏 K4-GP

10時間が刻々と迫ってきて、全員がピットロードを横切り
ピンクの輝きを放つ、実は中身はボロボロのあのミラと
富士の風を受けて、大きく羽ばたいた紺のミラを
今か今かと、無事戻ってこいと待ち構えています。

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何で私はここに居るんだろう??

レース車の塗装をするというので、ただ面白そうだから。
そんな理由で首を突っ込んでしまっただけなのに

この姿が見られるだけでも、やり遂げた感は十二分に

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初めて走る富士での、順番は決めていましたが
メンバー五人それぞれのタイム、
燃料消費量
給油のタイミング(4回しないと失格)などなど

当日の午前二時過ぎまで、宿泊先のホテルで電卓を叩きながら
(結果、寝坊してしまったのですが^^;)

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目標の150ラップを達成させるため作戦を考え
前日のタイムよりも、本番で縮めてきまくるので
結局リアルタイムで計算し直し、三時間経過しようとした頃
ドライバー交代をした後のアスファルトにイヤーなシミが…

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ミッション辺りからの大量のオイル漏れ。。

富士に入る前、校庭コースで試走周回をしていていた時から
ここが気になっていたらしく、それに加えて
当初の予想以上で周回する事で、負荷が増えてしまい…

実際、ピットに入れた際のリヤ周りは
ウインドウまでオイルでべっとりで
当然このままコースに出す訳にはいかず、ここで終わりか…
と思っている間もなく
『直すぞっ!!』と侍の一言。

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作業の詳細は私も判りませんが、この時ばかりは
それまでほぼ役に立たなかった先生達wをはじめ
監督ひーこ、侍を筆頭に、さらには男チームも加わって
女の子達は、必死にかつ慎重にミッションオイルを
でかいコーキングガンみたいなのに入れる係
エンジンを冷やすためファンを当てる係
メイド衣装で和ませる係w

1940010_2ちなみにこれは
スタート前のひとコマで、れっきとしたルールです^^
スタート位置に着いたクルマに、仮装したチーム員が
走っていって、フロントウインドウのステッカーを
きれいに剥がさないとスタート出来ないんです。
あまりに似合いすぎて仮装になってないですけどねw
ちなみに男チームは、さながらスイマーズ(古っ^^)

もとい、
自分で出来る事を探して、オイルにまみれたタイヤと
リアウインドウを一生懸命拭いてたりと
まさに耐久レースチームの動きです。

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スタ−トからひとり10ラップ刻みで
とにかく他車に不安を感じさせず、いかに上手く抜かれるか。
これが、彼女達にとっては最大の課題で
たった10周、30数分走り終えて帰って来たときは
もうふらふら、他車と軽くタイヤがヒットしようものなら
泣きながらピットに帰ってきます。

そんな中、五人になってしまったチームで
なんとか一巡ハンドルを繋ぐことが出来、ひとりひとりが
責任を果たすということの意味、その重さ、怖さを知って
と同時に、お互いを信じて認めあう、絆という
いままでおそらく言葉としての認識しかなかったものと
出会って、体の芯から反応してしまっている感じ。
(そうであって欲しいw)

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息を吹き返して再スタート!!
(画像は前日のテストランですが^^)

そんな光景を目の当たりにしては
ドライブシャフト交換、ミッションオイル交換
秘薬のグリスでの対策に要した30数分を
どうにかして取り戻したい。

また、作戦の練り直しです。

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クルマには無線機搭載していたので
モニターとしてEquation AudioのRP-21をチョイス
踏んづけても良いし、こういった場所では
なんとなくそれっぽいからという理由でw
いちおうケーブルは、ポーラス銀線のスペシャルです(無駄)

これで状況をモニタリングしながら、裏のテントで
ピット内で、ネッツコーナーで写真撮りながら等々
ぐちゃぐちゃ書き直してた訳です。

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がっつりGかかってますね。

タイヤは155と、やたらに太くはしていないんですが
それでも車高を少し落してあるので、樹脂製の
インナーフェンダーを外しただけでは当たってしまって
学校にはなかったのでフェンダーベンディングマシンを
借りてきて、フェンダー内側の突起を内巻きに折る
いわゆる爪折りをしようとした所、まず軽なので
アームが微妙に長過ぎるし、鉄板も薄いので
フェンダーパネルごと外に湾曲してしまって
結局は私がハンマーとあて金で叩き出しました。

言っときますが、私の専門は
オートバイやヘルメット。
車の板金なんてやった事ないですし、遠い昔
当時乗っていた鉄仮面スカイラインのバン
これの下半分ならペイントした事はありますが
丸まる一台なんて、今回初めて塗りましたw

それを言ったら、みんなびっくりしてましたけど
基本が出来てれば、かつ、やると決めてれば
何とかなっちゃう。いやいや、それ以上のモノだって
魂があればこんな風に作れるってことです。

って、何かだらだら長くなってきましたが
まだ終わらない^^

このレース、1,000Km10時間耐久となっています。
という事は、トップの周回数が219周で999Kmに
達するので、10時間かからずにチェッカーになる可能性も。
最初考えていたプランでは、9時間30分時点で
目標150周に届くものでしたが、先の緊急ピットでのロス…
予定では、一巡めは短めの10L交代で
レーススピードへの順応、それ以降はなるべく
ピット回数を減らしたかったので17L程度引っ張って
と考えていたのですが、やはり体力的に厳しい子も。
もっと速く走ってとは、あまりにリスクが大き過ぎるので
絶対に言えないですし、クルマも心配。

走れる子には引っ張ってもらって、あと出来る事といえば
ドライバー交代の時間短縮と、空いているタイミングでの
給油で稼ぐのが、車、ドライバーの安全を考えると一番。

途中4回以上6回以下の給油義務があるレースで
このクラスでの使える燃料は95リッター。

重量を考えると、満タンでの走行は不利なのですが
他車のペースよりも遅いクルマですし、車重的に
圧倒的に後ろが軽い『軽』なので、逆に積んだ方が
バランスが取れるし、ガス欠の心配もなくなるという事で
満タンでスタートしています。

給油の方式は、ピットに入ってチーム員が入れる
という形ではなくて、ピットレーンに入ってから
コントロールセンターをぐるっとUターン
そこから30Km/h制限で、200mほど離れた場所にある
ENEOSスタンドで普通に入れてもらうというもの。

事前に、何回給油で何リッター入れるのか申請して
それを書いたステッカーを見て入れてもらいます。

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例えば燃費を9Km/Lとして、30リッター消費で
給油となると、スタートから2〜2.5時間後の給油が
一番多い可能性が。150台中三分の一としても
給油出来るのは
一度に2台ですから、あっという間に
スタンド渋滞。。これにハマるとちょっとイタイ。

という事で、女の子チームは一回めの給油を
スタートから約1時間半にして、しかも
満タンスタートですので、その後の展開によって
ある程度の融通が利くようにしてありました。
内訳は、1回め10L以降、20L・20L・9L
満タンが36Lですので、合計95L。

1回め5'13"、2回め3'38"、3回め3'24"
ほぼスムーズに給油出来ています。
問題は最後の給油。

GSスタンドは、スタートから9時間後
17時にクローズ。
この時刻前一時間程度の混雑は容易に想像出来ますので
最初の予定では15時過ぎに最終の燃料チャージをして
最後まで走りきるはずが、トラブルとその後の
ドライバーごとの周回割当変更などで、もうすぐ時刻は
16時30分。。
今まで三回しか給油していないので、あと一回は
どうしても入れないと失格になってしまいます。
無線機を持ってGSスタンドに走ります。
案の定10台以上並んでいて、並行する
メインストレートを見ると、ウインカーを出して
ピットロードに入る指示をしている車も
頻繁に見られるようになっています。
今入れてしまうと10分以上のタイムロス…


GSスタンド横は、最終コーナーの立ち上がり付近なので
ここで確認して無線で指示を送れば、ピットサインでも
GS INとボードも出せます。

クローズまでの時間と、今給油待ちで並んでいる台数
ウインカーを出してピットロードに入ってくる車から
一瞬のエアポケットの場所を探して、冷静に判断しないと。

『まだ??』

『まだ6台いる』

『15分前、そろそろヤバくないですか!?』

『あと二周っ』

こんなやり取り、当然ドライバーにも聞こえている訳で
プレッシャーも相当なはずなのに
そんな中でも、彼女のベストラップを『次っ、入るよ』
と言った周に、あとで見てみたらマークしてました。

ほんと、おまえさん達は強くなった。

給油でのロスも、2台待ちでしたが5'12"と上々。

さぁ、チェッカー目指して最後のピット。
ドライバーは、一番コンスタントに
早いラップを刻めるリーダー、リトルリバー。

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関係ない人が二名ほど写っていたので
スタンプツールでテキトーに消してありますが
ピンクのキャップ・短パンに黄色のTシャツ
このデーハーな方、PIAAを起ち上げた変なおじさん
実はこのクルマのカラーリングに合わせての
最強コーディネイトだそうですw


ドライバー交代も、前半ではほぼ2分(遅過ぎだろ…)
この時点でも一分以上と、けっして早くはないですが
少しは無駄のない動き。

今になって思えばですが、最初のミスリードがなければ
もっと密にひとりひとりと関われていたら
何倍も大きなモノを掴めたかもしれないとか
あらためて計算し直して
150周には届かない現実に気が付きながら
今は無事チェッカーまで走りきって欲しい。
とにかくそれだけでしたね。

男チームも、途中でタイヤ交換なんかしちゃって
(ちょっと盛り上げるために四輪とも交換しちゃえば?
と言ったのはわたしです^^)ちょっと頼もしくなってます。

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さあ、もうすぐレースは終わりです。
みんなはもうコースに釘付け、どうやらトップは
219周にはギリギリ届かないみたいなので
まるまる10時間でチェッカーか。

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なんて、ふとピット裏のテントを見ると
途中でチームから抜けたというか
顔を出さなくなった子が、誰も居ないテントで
ひとり片付けを。

私たちが前乗りで出発する前日、彼女とは偶然
道で会っていて、どうするの?って訊いたら
たぶん行かないとの答え。
それでも私は来て欲しかったので
わたしは信じて待ってるよとだけ伝えて
あとは自分で決めるだろうと。

当日の朝、サーキットで彼女を見つけた時
自分でも意外だったのですが、あっ、来たのね。
そんなあっさりしたもので、嬉しかったのには
間違いないのに、何でだろと感じたのですが
ひとりで片付けしてる、その姿を見て
彼女なりのスタートをきったのかな?
なんて勝手に納得。


最後の11ラップ、リーダーの駆るミラは、
チームの誰よりも速く走って、それまでは
とことんリーダーとしてもダメダメだった分を帳消しに。


取り組む姿勢、技術、ノウハウ
その他レースに必要なすべて、それ以前に
自分で何かを掴み取るという事において、このチームに
絶望すら感じてしまったあの二ヶ月前

ただ自分に出来る事を、様々犠牲を払って
ゴールにあるであろう
希望の光を探してたどり着いた、チェッカー後のパレードラン。


降り出した小雨で顔痛いですが、スピードに比例して感じる風

どこまでも続くようなテールランプの赤い列

運転席の窓にお尻だけ乗せて
(飛び出し防止のネットが貼ってあるので、ホント危険ですw)

片手は必死にピラーにつかまり、もう片方は

リーダーにしっかり握ってもらいながら

これ全部記憶に叩き込もう。で、誰かに絶対伝えよう。

ってか、ここで落ちたら洒落にならんぞ…などなど^^;

ホントに忘れられない、時間の止まった様な一周でした。


まだまだ書ききれない事が記憶の渦となっているように
レースもまだまだ続きます。

そのゴールは人それぞれですが

やっとゴールにたどり着いたと思っても
きっと新しい目標が
いままで見えなかった世界が
すうっと見えてきてしまうんだろうなと。

だって、そうじゃなきゃ自分が面白くないでしょ。

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